Intel VROCでRead 約10,000MB/s達成

お客様からサーバーの注文があり、今回は初めてIntel VROCによるRAID5を組んでみました。

構成は以下の通り。

MB: Supermicro X12Dai-N6

CPU: Xeon Silver 4310 x 2個 (12C/24T, 2.1GHz, 11Mキャッシュ)

Memory: ECC 64GB (16GB x 4枚)

NVMe SSD: Western Digital Red SN700 4TB x 4枚 (M.2)

Intel VROC Premiumライセンスのハードウェアキーをマザーボードに挿すとVROCが使えるようになります。

VROCの特徴はざっと列挙すると以下の通り。

  • PCIeレーンを使ってNVMe SSDとCPUを直結するのでボトルネックが少ない
  • RAIDカードを別途用意する場合と比べて、比較的に安価
  • UEFIブート可能なRAIDボリュームが作成できる
  • 停電時の保護機能(RAIDカードのバックアップ用バッテリーに相当する設定が不要)

早速、BIOS画面でVROCのメニューを開きます。

(1)[Advanced] – [Chipset Configuration]
(2)North Bridge
(3)IIO Configuration
(4) Intel VMD Technology
(5) CPUを選択
(6) ストレージとCPUを紐付け

ここで、注意が必要なのですが、SSD4枚を2つのCPUに2枚ずつ分散してRIAD5を組むことは推奨されないようです(Manualで確認しました)。U.2インターフェイスが2ポートのNVMeケーブルを準備していたので、CPU1にU.2接続のSSD2枚、M.2接続のSSD2枚の組み合わせでRAID5を組みました。(下図のBlock Diagram参照) Block図を見れば分かりますが、NVMeもM.2も同じ4倍速でPCIeを使うので、U.2とM.2が1つのRAIDボリュームに混在しても速度的なバランスは問題ないはずです。尚、U.2ポートには M.2-> U.2 変換アダプタをかませており、4枚とも同じモデルのM.2のSSDを使っています。

X12Dai-N6のBlock Diagram
(7) ここまでくるとRAID構築のメニューが出現する
(8) All Intel VMD Controllers
(9) SSDが全て表示されることを確認
(10) 無事、RAID5が完成

あとは、Windows Server 2019をインストールしました。OSインストール時に Intel NVMe RAID ControllerドライバをSupermicroのサイトからダウンロードしてF6インストールをしないと、インストール先のストレージを認識しないので注意が必要です。(下図)

<Intel NVMe RAID Controller>

この後、ドメインコントローラー、SQLServer、ファイルサーバーの3つのHyper-Vゲストを突っ込んで稼働させました。この状態でCristalDiskMarkを実行したら、シーケンシャルReadはなかなか高速な結果が出ました。1週間が経過しましたが、特にトラブルもなくなかなか快適です。

このサーバーをミドルタワーケースで構築してお値段はWindows Serverインストールサービス、1年保守込みで約120万円前後です (OS代金別)。Dual CPUでメモリ64GB、ストレージは RAID5 10TBのフルSSDです。いかがですか? ご興味があれば問合せフォームからご連絡ください。